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「あゴー!」の道


「!きっ」のカーブ ■「あゴー!」
の道
神奈川県 横須賀市 秋谷
最寄 京急バス『立石』
撮影 2007 / 04/05 他



この道は、
若かりし日の 子海石先生おじさん が、
渋滞道路 を見に行く過程で通った場所です。

波の間をねらって、
「あゴー!」の掛け声とともに突っ切ります。
(そして、波かぶります)


  



この場所で特筆すべきは、漫画内で、
ほぼ現在の姿のままで描かれている

点でしょう。


三浦半島実在の風景が多数登場する
と言われている当作品ですが…

よく読んでみると、自然物 であったり、
21世紀初頭に実在した大きな建造物の
なれの果て跡地
であることが
ほとんどです。



ところが この場面は、
道路ぞいの ただの民家 が、
しかも 車庫に続くゆるい坂に至るまで、
「現在と ほぼ同じ姿で」描写されている
珍しいケース
なのです。


あるいは、作者である 芦奈野先生 にとって、
特別 思い入れのある場所 なのかもしれませんね。





現地の場所は、
『北の大崩れ』こと 長者ヶ崎 の、
南東2キロの辺り…

バス停『長者ヶ崎』から、
南へ4つ目の停留所 『久留和』と、
5つ目の『立石』
(夕日スポットとしても名高い『立石公園』そば)の、
ほぼ中央に位置します。

いずれのバス停で降りても、
300メートルちょっと歩けば到着します。



これらのバス停へは、
京急『新逗子』を降りて、
「逗6」系統のバスに乗れば、
『葉山』止り以外なら どれでも辿りつけます。

注意点は、
『立石』から現地までの歩道が せまいこと。

特に西側を歩くときは、
後方からの車両に注意が必要 です。



ちなみに、
作中と同じアングルで撮影しようとすると、
どうしても 車道に入る必要があります。

横断歩道もあるのですが、
基本的に交通量が多く信号間隔も短いので、
右折してくる車両に迷惑がかかりそう
です。



今回の写真は、海側の歩道から、
やや身を乗り出して撮影しています。

顔の すぐ横を、
京急バスの車体が走り抜けたときは、
背筋が凍りました
が…
(いや、もちろん悪いのは自分ですが)


交通量の少ない 早朝 なら、
あるいは 安全に、良いアングルで撮影できる
チャンスがある
かもしれませんね。





ちなみに、そばの海は
下写真のようになっています。




段差は5メートル近くと
結構あるようですが、

漫画内の描写からも分かるとおり、
おじさんたちが ここを通過した
「若い頃」の時点で、
すでに海面が路面と同じくらいまで
上昇していました。


そのため、
海面が 10メートル近く上昇
してしまっている「夕凪の時代」には、

このカーブは すでに水没してしまった…
と考えられます。



現実(現代)の風景は もちろん、
漫画内の風景すら、
じょじょに失われていく 悲しい時代


それが、「夕凪の時代」なのです。




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近くの交差点の真ん中から撮れば、
漫画の構図に近くなるが、

交差点内で撮影して
周りの自動車に迷惑をかけるのも心苦しい…


一体どうすれば…??


…と、悶々としていたのですが、
ある日、『バスの中(座席)から
撮影すればいいじゃん』

という 呆気ない結論に達しました(苦笑)


というわけで、2008年 2月に、
バスに乗車して現地へ…



問題は、撮影に適した最前列左側の座席を
取れるかどうかだったのですが、

バス停「立石」の少し前で
たまたま その席が空いたので、

別の停留所に停車した瞬間を狙って、
それまで自分が座っていた中央あたりの席から
ササーッと前進してゲットしてしまいました。


「いい歳こいたオサーンが、
セッセと眺めのいい席を取りに行ってんじゃねーよ」
と 不快に思われたであろう 地元の皆さん

ごめんなさい。<(_ _)>(汗


前に動いた僕を「降りる人」だと思って、
他に降りる人がいなかったため、
わざわざ前部ドアを開いてくれた
京急バス運転手さん

ごめんなさい。<(_ _)>(汗


皆さんの協力の おかげで、
こんな素敵な写真が撮れました。






これより漫画内に近い構図の写真は、
件の交差点の真ん中から、
遠距離ズーム撮影でもしないかぎり
不可能でしょう。


(漫画内のコマの、左側のガードレールの角度が
実物よりも急なのは、このコマを描く際の資料写真が
遠距離からの ズーム写真だったからでは?
と 推測しています)



彼方に見える 北の大崩れ江ノ島 も、
この成功を喜んでくれているように見えます(我田引水)






ちなみに、2024年 2月

復刊された『芦奈野ひとし画集』の中の、
先生ご本人のインタビュー によると…


実は芦奈野先生、作中の風景を描く際には、
資料写真を ほとんど見ずに
(たまに確認は するそうですが)、
ご自身の記憶などを頼りに
描いていらっしゃる
そうです。


シッカリ写真を参考にして描いた風景は、
1〜2度しかない、との事…

(それで、『三浦市から見た 大楠山』のような
頻繁に出てくる背景の 稜線(山の形)が、
実物のそれと微妙に違っていたのか… と、深く納得しました)




そして この『「あゴー!」の道』こそが、
実は その 数少ない場所の1つ
なのだとか…

このシーンの写実性が特に高かったのは、
ズバリ 写真を見ながら描いたから
だったのですね。


僕は てっきり、
芦奈野先生 にとって、特別 思い入れのある場所
だからだと思っていたのですが…(苦笑)

(もちろん、その可能性も無いわけではないでしょうが)




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