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Index考察など
アルファタイプ(Aタイプ)の歴史


 ■ アルファタイプ
 (Aタイプ)の歴史

アルファタイプの歴史

執筆 2007年 01月29日   更新 2024年 07月25日 



以下は、僕が このサイトを立ち上げて
わずか3ヶ月後の 2007年に、

「作中に出てくる不思議な存在たちを、
自分の知識と想像力をフル回転して
全て『アルファタイプ』として つなぎ合わせてやる!」

と 一念発起して書き上げた、
『Aタイプ(アルファタイプ)の 開発の歴史』
になります。



もちろん 全く 公式ではありません し、
今(2024年)読み返してみると
若い情熱の行きすぎ(笑)も見られますが、

我ながらマンザラでもなく、
「自分は本当に この手の『物語の隙間を想像で補完する行為』が
好きなのだなぁ」
と感心(笑)したりしました。


皆さんも どうか、
30代の僕の若気に 寛容の目 をもって
お読みいただければと思います(^^



ちなみに、このページを書き上げてから
何年か経って 伝え聞いたところでは、

実際の(芦奈野ひとし先生の設定するところの)
「A1〜A5」とは 人間の五感 に相当する研究であり、
それらの研究成果が結実したのが
『A7 の ロボットの人たち』
なのだそうです。


「…あれ? じゃあ『A6』は?」と、
読者の想像の余地を残してくださるところに、
芦奈野先生の 憎いまでの配慮 を感じます(^^



2024年 07月25日








★作品中で登場する ロボット
あるいは その 開発系統 にある物が
Aタイプ(アルファタイプ)
呼ばれていることは
皆さんも ご存知と思います。


と 同時に、
LP盤(レコード)である『A2』から、
アルファさんたち『A7』までの
開発過程がナゾになっている 点も、
今さら確認するまでもない周知の事実ですね。



これは、作中のレギュラーで唯一
「Aタイプ」開発の経歴をもつ人物
である
子海石先生 が、
一時期 開発から遠のいていたため、
読者に与えられる情報も そこ止まり
というのが理由です。



また、「A7」以前の
「A6」「A5」などについては、
子海石先生自身も
『たぶん、楽しい話ばかりじゃない…』
話していることから、

開発関係者が故意に隠蔽せざるを得ない内容
であったことは想像に難くありません。


このミッシングリンクを、
作中で語られた断片的な情報から
想像をまじえてつなげていく楽しみ

「ヨコハマ〜」の魅力の1つですが…

今日は1つ、そこをジックリ
考察してみよう
と思います。



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まずは基本として、
作中で明確に判明している「Aタイプ」
について 復習してみましょう。


A2
LP盤(レコード)に記録された 音声データ
M1からM4までが収録されている。

(Mは「モデル」「マーク」を意味すると思われる)

A7M1
「A7」シリーズの 最も初期の1体。

現在は「アルファー室長」と呼ばれ、
高高度を周回しつづけるターポン内部で、
その制御を担当している。

誕生後 一時期、
子海石先生のもとで生活を共にしている。
(教育目的と思われる)

初期段階において、
小網代の入江に住む ミサゴ との
性格的共通点が見られるが、

基本的な教育を受けた後は
振るまい・外見ともに人間と近似で、
一般人がロボットと識別することは困難なほど。

A7M2
「A7M1」を元にした 量産試作体

「M1」で すでに ほぼ完成の感があり、
「M2」になっても外見的変化は皆無。

3体が作られ、
うち1体は「初瀬野アルファ」の名で
西の岬 にてカフェを経営。

他2体については 不明。

A7M3
「A7M2」を元にした 量産体 で、
夕凪の時代で一般的に目にする
「ロボットの人」とは、
基本的に 彼ら・彼女らのこと。

作中では、
ココネマルコナイ が登場。







さて、ここで
ミサゴ という存在についても
ふれておきましょう。


当初から その超越した身体能力で
「ロボットに間違いなし」
踏んでいた読者に 釘をさすかのように、

『ミサゴのほうが(ロボットの人より)
何十年か古い』
との アヤセの発言が、
第87話で出ています。


僕自身も これを読んで、
「ふーん、じゃあミサゴは また別の理由で
生まれてきた生物なのか…」
ぐらいに
考えてしまっていたのですが…




そんな ある日の 2007年 1月

「見沼入江」『海沿いの水神さん』
モデル地を探そうと
大宮公園をブラブラしていた僕に、
1つの閃きがありました。


それは、
『ミサゴはロボットではないかもしれないが…
本当にAタイプとは無関係なのか?』

という疑問でした。

つまり、ロボットではないが、
A7開発における ステップ として
存在した生物ではないか?
と 気づいたのです。



ロボットの系譜から外すには、
ミサゴの性格的特徴が、
教育期の アルファー室長 の それと
酷似している点もヒントの1つでしたが…

今回、今まで あまり意識していなかった
水神さま のことをジックリ考えながら
歩いていたことで、
うまくインスピレーションを受けたようです。



その結果が、以下の
『Aタイプの歴史』です。


『作中の不思議な代物は、
実は全て Aシリーズの開発結果』
だと考えたら、どうか?


という思い付きをまとめた物ですが、
我ながらツジツマが合っているような気がして
自己満足しています(笑)



僕個人の脳内補完のために、
原作を逸脱した 要素・見方
幾分 含まれてはおりますが(苦笑)

それも許容の上で
楽しんでいただければ幸いです(^^





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A1 若かりし日の子海石先生

『ヒト思考のデータ化』を目指すも成果を見ずに頓挫した、
初期の一連のプロジェクトを指して、
後年、関係者の間で『A1』と称されるようになる。

実験と称して東京湾を高速水上艇で横断するなど、
今となっては不可解な行為も見受けられたが、
そもそも何がロボット開発の正道か
スタッフが模索する段階が
当時の実情であったことを考慮すれば、
微笑ましい失敗談の1つと許容できる面もある。


プロジェクトが中断された原因については、
プロジェクト自体の問題云々より、

むしろ大高潮などに見られる海面上昇の 危機感 から、
人々が『早期の 目に見える成果』を渇望した事が
直接原因と見る向きが強い。




A2 A2 レコード

A1の奔放で手広すぎる実験に対する開発当局の反省から、
『目に見える成果』として急遽 製作されたのが
『A2』と名付けられたレコード盤

4トラックが収録され、
各トラックを便宜上「M」と称している。


全ての現象の根源を振動で説明する
『超弦理論』に基づき、
「超ひも理論」とも呼ばれる)
生物の体内活動に共通して見られる
基本的なリズムパターンを、
空気の振動であるとして具現化された物。

ロボットという新たな生命を産むための、
宇宙レベルの 原点回帰 の意味合いを持つ。



…という説明は、政府・一般人に対するブラフ

正体は、当時関連の深かった
音楽大学の協力を得て研究した、
『最大公約数的に、人間に安心感を与えやすい
リズムパターン』
を収録しただけの代物。


当局の このような詐欺まがいの行為は、
政府サイドが「実験のための 実験」の重要性に
無理解であったことに起因し、
結果的に「A7」の量産まで こぎつけた不断の努力は
歴史的に評価されるべきだとする考えが、
現在においては一般的である。
(批判が無いわけではない)



このレコードは当時、
開発に関わる政府関係者・研究員などに
記念として配られてもいる。

事実を知らぬまま、地元図書館に寄贈するケースや、
今でも大切に保管し続ける関係者もあるという。 





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A3 A3 パワーヒマワリ

『人間を直接に模倣するロボット開発』
限界を感じた当局は、
より原始的な構造の『植物』に活路を求める。

植物に関するバイオテクノロジーの研究土台は
20世紀において すでにあり、
その延長の模索の容易さはA1の比ではなかった、
とは 当時の関係者による後年の弁。

A4以降にも引き継がれる植物研究のうち、
従来の植物の外観(「大きさ」除く) を留めている
一連の研究成果が『A3』と称されている。



タイトル写真は その研究結果の1つで、
一般に『パワーヒマワリ』と呼ばれている種。

全長は6〜7メートル、
花部分は2メートル近くに成長する(個体差あり)


A3の研究は、このように
『DNA中の、成長サイズに関する
リミッターの無効化』
を主とし、
今でも一般的に なじみのある、直径30センチ近い
が、食卓に上るようになったのも この頃…

年配者に「昔は手のひらに乗るぐらい小さかった」
と 聞かされて、驚いた記憶をお持ちの方も
多いことだろう。



これらの研究成果は、
海面上昇による農耕地の減少にともなう 食糧難
危惧する当時の民衆に、喝采をもって迎えられた。


しかし、冷静に考えれば、
「従来の 20倍の体積を持つ植物」の育成には
当然、『従来の 20倍の滋養』が必要であり、
食料問題に関しては
実は 何ら前進を見ない研究であった。


にも関わらず 非難の声が挙がらなかったのは、
単位面積における収穫量
従来の それを上回ったため。

これは研究の成果ではなく、
地面の滋養が年々上昇していた
(地球環境が、植物・昆虫に適したものに変化しつつあった)
事が原因と、後年判明。

地球が、人類にとって生きづらい環境に
遷移しつつある
事実の、悲しい証明でもあった。



なお、A3の懸念の1つに、
『植物を相似に巨大化させた場合の、
重量に対する脆弱性』
があったが…

交配研究や、植物自体の迅速な適応によって
(幹が太くなる・全長が低くなる、など)
半世紀を待たずに一般化したことは ご周知の通り。





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A4 A4 街灯植物

植物と ヒトの融合 からロボット開発の活路を見出す
ステップとして研究開発されたものの1つが、
俗に 街灯植物 と呼ばれている、
生体発光を行う細長い樹木。

これら人工植物として結実した研究成果の数々は、
『A4』と総称される。

自然な地中から吸い上げる少量の栄養分にも関わらず、
高能率のエネルギー変換による発光を実現、
後のロボット開発の重大な礎となる。



街灯という体裁が取られた経緯には、
エネルギー変換効率が視覚的に分かりやすい点、

人々の生活圏にロボット研究の成果を
フィードバックすることによる
開発業務のイメージアップ の意味合いに加え…

が生物(この場合は民衆)に与える
「幻想性・高揚感」までも考慮した
苦肉の 世論囲い込み作戦 であったと、
後に関係者が明かしている。



その努力は、A5以降の研究開発における
予算獲得
に 予想以上に功を奏し、
今日 我々が普通に街中で見かける
A7M3の量産時代 を迎えるわけだが…

その過程は、まだまだ
困難の連続(後述)であった。



A4を境に、
『最初から人間レベルの思考を持つロボット』
ではなく、

外見的にヒトに近い生物
(高い永続性を備えた)を生み出し、
それを教育する
ことで
「ヒトに代わる者」とする
開発方針が固定されていくが…

同時にそれは、既存の倫理との
部分的対立の歴史の幕開け
でもあった。




A5 A5 水神さま

人間の上半身がゆるやかに凝固したような姿を持つが、
身体的にはむしろ植物に近い、
A4A6をつなぐ生物…

それが『A5』である。


外観の永続性と脳波を持たせることには成功するが、
地面から生えた体には歩行能力が無く、
会話も行わない


「脳波がある」ことと「思考を持つ」ことは
イコールでは無く、
俗にいう「サボテンの脳波」といった類の代物と
同レベルと解釈できる。


一方で、A5の群生する地域住民から
「始終 なにかの気配が漂っていて気味が悪い」
との報告もあり、
低いながらも知能を備えている可能性を
指摘する声もある。



成長過程 としては、
まず地中で種のような状態から発芽し、
地面を軽く盛り上げる。
『石灰の山』のようにも見える。

次に、地上に姿を出す。
この時点ではまだ人の姿にほど遠く
『白いキノコ』のような特殊な形状を持つ。

成体になるにしたがい、
人間の上半身を思わせる外観
(個体差あり)へと変化していく。



当時、ヒトの外見を持ち脳波もあることから、
過激な人権団体が 保護を要求

討議の結果、A5全サンプルを
山中に廃棄 (団体側は「開放」と呼称)
することで決着。
(解体案は、人道的見地から不適切とされ却下)


しかし、研究結果は水面下で内密に保持され、
「A6」以降の実績へと継がれていく。

廃棄された植物たちは後年、
『白いビル』のように見えるコロニーを形成し、
少しずつではあるが
生息範囲を広げつつ 今に至る。



成長には地中に 潤沢な水 が不可欠で、
成体までの成長が確認されている個体が
水辺 に集中している
のは、このため。
(その不思議な外観から「水神さま」と称される例あり)


水辺以外(山中など)でも生息可能だが、
成長が著しく遅延し、
50年程度では せいぜい『石灰の山』
育つのが限界と推測されるが…

まれに例外も見られ、
別の成長要素 を指摘する意見も出始めている。

「地面」が記憶している生物の姿が形となる、との説もあるが、
説と呼ぶにはあまりにメルヘンじみており、批判の声も多い。
無機物が「記憶」するプロセスも未解明で、
現在はトンデモ説の部類と見る向きが一般的。)






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A6 A6 ミサゴ

A5の成果をもとに、
『人間並の思考』(幼年レベルではあるが)と、
『自立歩行』を備えた生物…

それが『A6』である。



外見的にはヒトに酷似で、
歯の形状などに若干の相違が見られる程度。

陸地の大半が水没した後の地球での
利便性までも考慮し、
高い運動能力を備えて開発されるが、

皮肉にも、この高すぎる身体能力から
『現存するヒトとの共生における危惧』
ときの政府から指摘される。



幾度かの議論の場が設けられるも、
A1同様、研究の即時中断が決定。

個体の身体能力の高さもあり、
「廃棄では不十分」との政府判断から、
生産された「A6」の全サンプルが
解体処分となる
(生産総数は不明)




ところが 後に、
全廃されたはずの「A6」
三浦半島南部の湾で 1体のみ生存している
ことが確認され、大問題となる。
(地元住民の一部に、A6を「ミサゴ」と称するケースあり)

開発関係者が、サンプルの解体が忍びなく
内密に逃走させたとの疑いが強い。



地元住民による ミサゴ という名称が、
A1時代に使用された実験用水上艇のそれと
同一との情報もあり、

その時代から引き続き開発に関わった者の
犯行の可能性が高い
が…

ミサゴという名称自体、
現地にも生息する「鳥の名前」であるため、
あくまで推測の域にとどまる。



『事件からすでに30年以上が経過している事』

『A7シリーズの安定した量産体制の確立』

『逃走したA6によると思しき事件報告が
現地において皆無であること』

などから、

例え犯人が判明しても
法的措置がとられる事は無いとの見方が強い。



また、この件について、
「直ちにA6を回収・処分すべし」との
一部関係者の意見に対し、

現・開発局長は
『30年以上現地に生息するにも関わらず
問題に発展しない事実から、
対象の処分の重要度は極めて低い』

と コメント。


「現地警察からの通報如何では、
速やかに対処したい」
との考えも
合わせて表明してはいるが、

その 職務怠慢・地方軽視 とも取れる姿勢に、
一部から非難の声も あがっている




「下手に手出しして捕獲に失敗したときの
責任を恐れた、保身である」

「所詮、造船部署あがりの叩き上げの 現局長には、
地方を含めた大局的な物の見方ができないのでは?」


との、皮肉も聞かれるという。








以上を書き終わって、
ネットで調べてみたところ…

部分的に僕と同様の意見をお持ちの方が
結構いらっしゃいました。

上の表が あながち見当違いで無いことにホッとしたり、
連載途中で そこまで推理した先人に敬服したり…

この資料が、皆さんの心の「ヨコハマ」を深める
手助けになれば… と思います(^^



ただ、最終話を読む限りでは、
「水神さま」は やはり記憶媒体だったと
考えるべきかもしれませんね。

皆さんの意見も、機会があれば お聞かせ下さい(^^


2007年 01月29日 執筆




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