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小網代の入江(森林編)


小網代の入江 ■ 小網代の入江
(森林編)
神奈川県 三浦市 三崎町 小網代
最寄 京急バス『引橋』『小網代』
撮影 2006 / 11/08 他



このページは、
僕が初めて『小網代の森』を訪れた 2004年 3月から
徹底的に森全体を歩き回って写真を撮った 2007年頃
までの経験をもとに書かれたものです。


そのため、あれから 20年 近くが経って
『ある程度 遊歩道などが整備された(らしい)』
現在の小網代の森
とは
かなり おもむきが異なっている と思われます。


「Google ストリートビュー」で軽く確認したかぎりでも、
かつては いくつか存在した 分岐点
消失(進入できなくなった?)してしまった ようです。



なので、このページの情報は
あくまで「昔の姿」

今は失われた「かつての風景の 思い出話」として
参考程度に お読みいただければ幸いです。

2024年に かなり追記したので、
だいぶ読みにくくなってしまっている
とは思いますが…(^^






「小網代の森」

その名称から、
気楽な公園のような自然観察園 だと
思い込んで出かけた人は
ショック を受けると思います。



舗装も何もされておらず、
「道がある」というよりは、
『草が少ないから、たぶん 道なのだろう…』
という感じの通路…

行く手をふさぐように
傾(かし)いでいる老木

通路を隠さんばかりに
無闇に生い茂る草

足を置くと グジュリと沈む、
水気たっぷりの地面

木々に絡みついたまま
朽ち果てた カサカサのツル




しかし ここを見れば、

自分たちが今まで「美しい」と
思いこんでいた自然とは、
『人間の美観や用途に合わせて
調整されたもの』

過ぎなかったのでは…?

と、気づかされます。


人の目からは、
薄汚く、うすら怖くすら感じる光景も、

草木たちにとっては 住みやすい、
これこそが 本物の自然
だったのかもしれない…
と、
改めて考えさせられることでしょう。





ちなみに、
僕が初めて この森を訪れた 2004年 3月は、
ちょうど 冬が終わったばかり だった事もあり、

森全体が枯れた草木の灰色で覆われ、
その姿は ほとんど 墓場


眼前に広がる 荒れ果てた光景に、
ものすごく陰鬱で悲しい気分
なったのを よく憶えています。



ところが、
それから たった1ヶ月後に
再び訪れた森は、

春の新芽が いきいきと輝く、
透明な緑と生命力が輝く世界

に 一変しておりました。



草木が 今より身近だった昔の人が、
春の訪れを 心から喜んだ気持ち…

それが フッと分かった気がした
忘れがたい瞬間 でした。




【下へ 続きます】



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それでは、この森の概要を、

今回は 引橋交差点大三叉路 )の最寄の
『北東口』を基点にして、
紹介していきましょう。

(『北東口』については、
『小網代の入江』(入口編)を ご覧ください)




看板と金網の間から森に入ると、
標高はじょじょに下がり、
小さな水の流れと並行して進む
ことになります。

少しずつ道路からの騒音が減り、
鳥の声が元気になってきます。

所々で老木に行く手をさえぎられますが、
くぐって対処しましょう。

かつての小網代の森   かつての小網代の森





小川の上などは、鉄板 などで
簡単な橋が造られていますが…

キケンなので、
決して 勢いよく渡らないでください。


振動で傾き、
最悪 下に落ちます。


足の裏を できるだけ鉄板から浮かさず、
表面をスライドさせるように
30センチほど前進させ、
次は 反対の足を同様に前へ…

といった感じで
丁寧に進むことをお勧めします。



同様に、ドロの上に置かれている鉄板
ゆっくりと渡りましょう。

上下振動が大きくなると、
鉄板の穴が「水鉄砲」の役目をして、
足元からドロ水が噴出します。


かつての小網代の森   かつての小網代の森




また、こうした鉄板が置かれていない
そのまんまのドロ道

直面してしまったときは、

付近に落ちている太い枯れ枝などを
地面に置いて足場にする
(体重を分散させる)
と、
幾分マシになると思います。

工夫で乗り切ってくださいね(^^





道(らしきもの)を進んでいくと、
途中で、1メートルほどの落差 があり、

しかも その落下先が ドロドロ地面
という 大難所
がありますが…

あつらえたように
太さ5センチほどの 縄のような木
目前に垂れ下がっていのす。


これを ターザンの ロープ
のように使うことで、
ドロドロ地面を飛び越えるのに
成功
したときには、
ちょっと 感動します

かつての小網代の森



『まぁ人間には つらい場面だろうからね。
よければ 使いたまえよ』
といった、
森の心遣い かと錯覚するほどです(笑)



この枝、
少々のことでは折れたりしない ので、
その点は安心なのですが…

問題は 足元 です。

実は、枝をつかむために前進した
足元の地面が、
すでに けっこう 粘土質 なのです。



そのため、
『やぁ、ちょうど良い枝が…』
などと枝に注意がいって、
足元が お留守になると、

最悪 下に転げ落ちることも
ありえます

(実際、転げ落ちそうになりました)



「森の心遣い」を無にしないためにも、
ここは 慎重に挑んでくださいね


(このページを書き直している 2024年1月現在 には、
もう この枝も枯れはててしまったか、
新しい遊歩道を通すさいに伐採されたのではないかと思われます。

それでも、今でも目をつむると あの枝を握ったときの
安心感 が、ほんのりと よみがえってくる自分です。

思えば ほんの数年の付き合いだったけど、
本当に ありがとう、枝よ…






小網代の森の道にも慣れて、
余裕が出てきたら、

たまに 頭上をあおいでみましょう


かつての小網代の森   かつての小網代の森



葉の緑をいっぱいに受けて
ふりそそぐ太陽の光
に、

今 この森に自分がいる歓び
しみじみ実感することでしょう。




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「なにか、前方の頭上の木々が
減ってきたような…?」
と感じたら、

それはおそらく あなたが、
この森の道の 大きな分岐点
到着したためです。

かつての小網代の森




ここからは、大ざっぱに
3つの行き先 が選択 できます。


1つは、右斜め前に進み、
湿地帯の ど真ん中をつっきる
『鉄板橋の小道』


頭上がスカッと開ける開放感 を楽しめる道で、
そのまま進んで丘を登っていくと、
最終的に『北口』に到着します。


かつての小網代の森   かつての小網代の森




丘まで行かず 途中まで進み、

鉄板の きしむ音を聞きながら、
小網代の森の中では珍しい 乾いた空気を
しばし楽しんで Uターン
するのも一興です。


ただし、橋が狭いので、
他人と すれ違うときは
ちょっとテクニックを要する道

でもあります。





もう1つは、グイッと
Uターンするように丘を登っていく道で、

難関の『南東口A』ルート です。

かつての小網代の森



「100番 鉄塔」
ご覧になりたい方は こちらへ。

序盤の つるつる坂 には、
十分 ご注意ください。





そして、両者の間…

道というより、
湿地の中に入っていく 秘密の通路
獣道 のような この道
こそが…

実は なんと、
『小網代の 入江』に向かうための
メインルート
なのです。



この道にある
背の高い草が作る 自然のトンネル は、
大人なら 前かがみで ようやく通れる狭さ

愛好家の間で
『トトロのトンネル』などと
愛らしい名称で呼ばれている
名所であると同時に…


その牧歌的なネーミングからは
想像もつかない、
小網代の森で1・2を争う 難所
でもあります。

かつての小網代の森『トトロのトンネル』   かつての小網代の森『トトロのトンネル』



夏に くぐったときの
密閉感と湿度 も相当のものですが、

最大の敵は
中ほどにある ドロだまり



幅1メートルが せいぜいのトンネル内に、
地面いっぱいに広がるドロが
2メートル近く続く場所


飛び越そうにも、
トンネル内なので ジャンプ不可 です。


両足をトンネルいっぱいに開いて、
草の根付近を足場に、

しかも1ヶ所にとどまっていると
重みで すぐに沈みはじめるので
スピーディかつ正確に進み続ける…

そんな 様々なテクニックを
総動員する必要のある 難所
なのです。



「ドロに はまるのも、思い出の1つ!」
と 開き直れる方にとっては、
少しも怖くない場所ですが、

「この後、三崎港のマグロ料理の
お店に入って…」
等と予定されていて、
足元が汚れると困る方には、
ちょっと お勧めできないルート です。
(メインルートなのに…)



しかし、
ここを難なくクリアできるほどの
適応力がつけば、

もはや あなたにとって「小網代の森」は
恐るる場所なし です。


「小網代の森」を愛し、
「小網代の森」に愛されるかどうかが試される、
登竜門 ともいえるポイント

と言えましょう!(大げさ)


2024年 1月に Googleストリートビューで見るかぎり、
このトンネルも 消滅 してしまったようですね…
あの難易度を考えれば 無理もない話かもしれませんが…)





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以下は
『トトロのトンネル』を通過できた方向け
ルート紹介となります。




トンネルを抜けて しばらく歩くと、
『コンクリ橋』があります。

かつての小網代の森



マッキミサゴと遭遇した場所の舞台といわれる、
ファンの間で『マッキ橋』と称されている橋は、
ここではなく もうちょっと先ですが、

形状的には こちらの橋のほうが
それっぽい ですね。

ただ この橋は、作中のような
「木製の橋」ではない
ですが…



ちなみに、木製で それっぽい橋
となると、『南口』にある、
この橋ぐらいではないでしょうか?

かつての小網代の森


ただし、作中の場面とは
岬の向きなどが違います が…

橋の下の川も、
小さーいもの
だし(苦笑)



(下写真は、2024年 1月に Googleストリートビューで見てみた、
この橋の 現在の姿(多分)です。
もう正規のルートから外れて 通行禁止 になっている様子…
仕方ないこととはいえ 寂しくもあります…)


現在の小網代の森のコンクリ橋?





南西 に向かって坂を登っていくと、
分岐点に電柱がある Y字路
到着します。

(下写真は、Y字路を 南(逆向き)から撮影しています)

かつての小網代の森



このまま まっすぐ行くと、
すぐに『南東口B』への細ーい坂道
(非常に気づきにくい)があったり、

延々まっすぐ進むことで
『南口』(小網代港)
たどり着けたりします。


が、ここは 右折 して、
下の 水辺 へと降りてみましょう。

右折というより、
ほとんど「右への Uターン」
という感じですが…(笑)





じょじょに木々が少なくなり、
林を抜けたところで、唐突に
『マッキ橋』が その姿を現します。

ご覧ください、
木製の おもむき深い橋…
て、アリャリャリャ!?
この橋て コンクリ製 でしたっけ??

この森に来て数年来、
この橋は「木製」だとばかり
思い込んでいました。
(2007年4月 に訪れたとき、ようやく気がつきました)

かつての小網代の森『マッキ橋』



こうして 改めて確認してみると、
材質の違い もですが、
作中のものとは
『形状』も やや違っていた
のですね…


もっとも、夕凪時代になれば
このあたりは軽々と水没してしまうため、

もう少し川の上流(森の奥)
架けなおされたものが、
作中の あの橋
なのかもしれません。


南の岬の間からは、
小網代の港 も見えています。

かつての小網代の森




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コンクリ橋を越えて、
雰囲気のいい小道を進みます。


かつての小網代の森   かつての小網代の森



道のすぐ北の草の中に、
赤い屋根の別荘 (なのかな?)を発見して、
その違和感に ちょっとビックリしたり…


でも、じっくり見ていると、
「これはこれで、風景に調和して
いるのではないか…?」

といった気持ちが わいてきたり…





小道の南側に、
水際に下りていける小さな入口があるので、
下りてみましょう。

ここには、岩と砂でできた
小さな浜 があります。



…ただ、今回の写真を撮影しに行った日は、
現地に「小学校の見学らしき一団 30人ほど」
(大人と子供あわせて)が訪れておりました。

かつての小網代の森



こんな ご時世ですから、
いい歳したオッサンが 子供にカメラを向けると
不審がられるのでは?
と心配になり、
(実際に撮影しているのは浜辺なのですが)

それを外したアングルで撮った写真なので
「岸」部分が あまり写っていません


子供たちの 楽しそうで にぎやかな雰囲気は、
とても良かったんですけどね(苦笑)



ちなみに、僕の顔を何人かが憶えていてくれて、
森の別の場所で すれ違ったときに、
「あ… あの おにいちゃん、さっきも見たー」
友達どうしでコッソリ話していたりして、
照れるやら うれしいやら。

子供は可愛いなぁ(笑)




まあ、ここの写真は、
また後日 追加撮影してきますね。

それにしても、
水の透きとおり具合
本当にすばらしいです。


かつての小網代の森   かつての小網代の森

かつての小網代の森


(このページの書き直している 2024年1月の時点で、
この子たちと会ったのも もう17年以上も昔と
なってしまいました。

この子たちの年齢が6歳ぐらいだとしたら、現在は 20代前半…
大学生か、もう社会に出ている子も多いことでしょう。

書いてて ちょっと感慨です(しみじみ))





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…というわけで、
あれから半年ほどを経た
2007年 4月

再度『小網代の入江』を訪れ、
浜辺を撮影してきました。



今回は まったくの思いつきで
行き当たりばったりで訪れたのですが、

なんと 干潮 のタイミングに恵まれ、
シットリした砂浜が姿を現す浜辺を
楽しむことができました。


かつての小網代の森   かつての小網代の森

かつての小網代の森   かつての小網代の森

かつての小網代の森   かつての小網代の森




午後3時すぎの やや傾いた太陽からは、
うっすらと オレンジがかった
やわらかい光が そそがれ、

周りの木々も いつも以上に
やさしげに見えました。







ちなみに この近くに、
『アカテガニ ビオトープ』(生息領域)
という場所への 入口がありますが…

ここは 一般の我々は
入ってはいけないようです


かつての小網代の森



20メートルぐらい跳躍できる
全裸の女性(キバ付き)
が、

たまに「プレゼント用のカニ」を獲るために
侵入しているようですが(笑)



ちなみに、ここから 北へ向かって
ゆるゆると坂を登っていくと、
やがて『北西口』に出ることができます。

そこから右折して
東へ 700メートルほど行けば、
バス停『引橋』に戻ることができます。

おつかれさまでした。




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最後に、オマケ写真 を2つ。


1つは、「小網代の森の中の どこかに、
ヒッソリと存在する水面」
です。

ちょっと「入りたくない」感じの細道
ドン詰まりに ありました。


かつての小網代の森



森をよく知っている方にとっては
別に 隠しポイントでも何でも無いのでしょうが、
できた写真が やけにイイ感じ だったので
載せてみました。

青空が写りこんでいるので
美しい場所のように見えますが、
実際の水面は そんなに深くないのです。


いつか あなたも、
この風景に出会うかも…





…と、2006年当時は書いていたのですが、
2024年現在、もう この水面のある場所は
進入禁止になっていると思われる
ため、
所在もバラしてしまおうと思います。


先ほど「ここから 北へ向かって を登ると
『北西口』に出る」
と書きましたが、

この坂を あえて登らず、
森の奥へと続いている 林の中の小道を
どんどん進んでいく
のです。
(ちょっと 陰鬱な感じの道だったと記憶します)


で、行ける所まで行くと、
この小さな池が姿を現す わけです。

もう 今では、
埋め立てられてしまっているかも
しれませんが…





そして もう1つは
『小網代の森 生き物マップ』

たしか、
先述の『アカテガニ ビオトープ』の近くに
立ててあったものと記憶します。

小網代の森 生き物マップ


2006年当時は 別に
珍しいものではなかったのですが、
2024年現在は おそらく
「失われた風景」と思われるため、

この機に ネット上に遺しておこう
と思いました(笑)




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